内藤 廣 + 石元泰博 / 空間との対話
この本は、内藤 廣(建築家)が石元泰博(写真家)に撮影を依頼した写真集です。
以前もブログで紹介している「石元泰博」は、私が大好きな写真家で、桂離宮や伊勢神宮等を
撮影しています。特に伝説の写真集「シカゴ・シカゴ」は世界的にも有名です。
今回の写真集は2012年に亡くなられた石元さんへの追悼の意味もあるようです。
「内藤 廣」の文章から抜粋。
「自然は美しい。自明のことである。しかし、はたして人が介在したこの世界は美しいだろうか。石元泰博のすべての写真に、この問いが含まれている・・・・・・・・・」
はたして世界は美しいのだろうか。2011年の3月11日から間を置かずして、被災地の陸前高田の渚に立った。・・・・・・・・・・・・
自然そのものには冷厳な美しさがあるが、人が生み出す建物や街や風景には、不完全ではあるが温度がある。人が介在してもなお、そこにより良き対話を見出すことができるのかどうか。不完全ではあるが温度のある美しさは可能なのだろうか。自然がささやきかけたとき、それに応える人の温もりを留める温かな美しさはありうるのだろうか。情け容赦のない風景に身を晒すと、ことさらその存在を信じてみたくなる。また、それこそが建築や街や風景に向けられた石本さんの生涯の問いであったように思えてならない。
石元さんの写真はいつも感動しますが、今回の写真も心に響く作品ですね。
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